【30代から挑戦・海外転職で営業職デビュー】エンジニアが営業に転職した話

東南アジアで営業職デビューするために必要なスキル・準備・成功する為のポイントとは?
私が佐藤さん(仮名・当時30歳の男性)と出会ったのは、2019年。私が中国在住、出張で立ち寄ったバンコクのある日本食レストランのカウンター席でした。この記事では備忘録として当時の事を書きたいと思います。

その夜は、いつものように出張の疲れを癒そうと、一人で日本食レストランのカウンターに座って夕食をとっていました。
ふと視線を向けると、数席離れた場所に同じく一人で食事をしている日本人男性の姿がありました。
お店の日本人マスターを介して、自然と会話が始まりました。
バンコクにある日系のIT企業に、駐在員前提の採用枠で日本本社から内定を受けたばかりとのこと。
タイに赴任してまだ数ヶ月、アパートではなくホテル暮らしの真っ最中でした。
今夜でこのお店に来るのは既に10回目以上だそうです。
不思議な縁の中、気がつけばお互いの仕事の話から、ちょっとした愚痴やこれからの希望まで、自由に語り合っていました。
この記事では、そんな佐藤さんがエンジニアから営業職へとキャリアを転換し、海外で駐在員として新たな一歩を踏み出したリアルな転職体験をご紹介します。
・営業職として海外転職を検討している30代
・英語に自信はないが、海外で楽しみながら働きたい人
・技術屋のスキルを活かして現地で営業職として働く方法とメリット
・不安を解消し、海外転職を成功させるための具体的ステップ
こんにちはニオです。
日本・米国・中国の現地企業で働いた経験から、このチャンネルでみなさんの海外転職へのお手伝いをできればと思ってます。
プロフィール

なぜ30代の今、海外×営業職なのか?

30代という年齢はキャリアの転機として最も多くの人が「このままでいいのか」と考える時期です。
とくに技術職に長く従事してきた人ほど、営業やマネジメントといった“対人”領域への転身を意識し始めることも少なくありません。
ITエンジニアだった佐藤さんの転機

佐藤さんは約10年間、日本でITエンジニアをしていました。
業務に不満はなかったものの、日々の業務のなかで営業部からの問い合わせに対応する中、「これって、営業がもう少し技術を理解していたら、提案の質が上がるのでは?」と感じるようになりました。
いつしか「自分なら技術と営業の橋渡しができるかもしれない」と思うようになり、営業職への関心が芽生えていたようです。
「営業職に向いている性格」とは?

営業職は一見、社交的な性格が向いていると思われがちですが、実際には“相手の話を聞ける人”こそが強い。
佐藤さんはとても聞き上手で、論理的に話すことが得意。
それが海外営業として採用されたのでは?・・・と私は直感しました。
- 外向的な性格の人:
明るく人前に出るのが得意な人は、顧客との関係構築が得意です。初対面の商談でもリラックスした雰囲気を作り、短期間で信頼を得ることができます。 - 内向的だが観察力が鋭い人:
静かなタイプでも、相手のニーズを観察し的確な提案をするスタイルで成功する人がいます。丁寧な対応が顧客に安心感を与え、長期的な関係につながります。

- 向かない特徴:
・人との接触を避けたい。
・失敗や断られることを恐れる。
・自分の意見を相手に伝えるのが苦手。 - 克服法2選:
①コミュニケーションスキルを学ぶ:
パーソナルトレーニングを活用。
②小さな成功体験を積む:
簡単な交渉や提案から始め、自信を育てる。
技術知識が営業で武器になる理由

営業の現場で重要なのは「顧客の課題に共感し、具体的に提案できること」。
ITインフラの技術が分かる佐藤さんは、タイを中心に東南アジア圏の日系企業の顧客が抱える不安に即答できる“安心を与える営業”を目指したいと言っていました。
- 技術の裏側まで理解した上で“現実的な提案”ができる
- エンジニア視点の“問題発見力”がある
- エンジニアとの連携・社内調整がスムーズ
駐在員として採用されるための準備とは?

多くの人が海外で働きたいと考える一方で、“現地採用”と“駐在員”の違いを知らずに選択肢を狭めてしまうことがあります。
佐藤さんは転職エージェントで見つけた「駐在員前提」のポジションを狙って日本国内で転職活動したそうです。
日本本社での面接のリアル

日本での採用面接では、語学力よりも「社内外の調整力」や「現地スタッフとの連携」が重視されていたようです。
企業が海外拠点に送り出す人材に求めているのは、“信頼して任せられる人”です。
- 現地拠点は“社内外の板挟み”ポジションになりやすい
- “語学力”は通訳で代替できても、“信頼調整”は人でしかできない
- 現地スタッフとの関係性が“事業の安定運営”に直結する

求められる経験と応募時のポイント

経験職種にこだわらず、“海外で成果を出すために何ができるか”を語れる準備が必要です。
この佐藤さんの場合、社内プロジェクトで培った「要件整理・提案・実装管理」の経験を軸に、営業職への意欲を明確に伝えました。
- 「異文化環境での実行力」を具体例で示す:
(例)過去の海外プロジェクトで文化的なギャップを乗り越えた行動を説明する - 「数字や行動で測れる結果」に落とし込む:
(例)改善策を立案、企画上目標30%短縮、導入後のトラブル発生率を20%改善する - 「前職の経験をどう応用できるか」を明確に語る:
(例)「ITエンジニアだった頃の課題は業界の課題、営業提案に活かせる」・・などの提案
駐在員と現地採用の違いとは?
給与、福利厚生、業務範囲に加えて、キャリアパスにも明確な違いがあります。
特に駐在員には「日本本社との連携」や「現地のマネジメント」といった組織全体をつなぐ役割が課されるため、信頼関係を築く能力が重視されます。
また、駐在員採用の場合、日本本社の内部ネットワークを持たずに着任するケースが多いため、“知り合い同士の融通がきかない”環境で、結果を出すことが求められます。
これは大きなストレス要因にもなり得るため、日本語中心の海外拠点であっても、企業文化や風土の事前調査は欠かせません。
- 情報量で信頼を勝ち取る:
(例)「この人はよく調べている」と思わせることで、立場の差を埋められます。 - “聞く力”を意識的に使う:
(例)相手に「ちゃんと理解してくれる人」と認識され、壁を取り払える交渉姿勢に。 - 第三者の名前・事例を引用する:
(例)「**さんからこの方法が効果的だと聞きました」・・・と言った内容で間接的な信頼を借りることで、“実績ゼロの状態”でも納得と関係構築を促進できます。

採用の鍵を握った「ある一言」
面接の終盤で印象を変えるのは、実は肩書きではなく“どう仕事に向き合ってきたか”という姿勢です。
たとえば、私がかつて東南アジアで見聞きした例のように、
「営業経験はありませんが、これまで数え切れないほどの”現場の困り事”に向き合ってきました。技術の裏側を知っているからこそ”信頼される営業”を目指したい。」

こうした“自分の言葉”で語る姿勢は、面接官にとって強く印象に残ります。
とくに営業未経験者がキャリアチェンジを図る際には、「技術をどう活かすか」よりも「どう伝えるか」が鍵になるのです。
技術的な背景が活きた面接回答
面接の場で佐藤さんは、「技術と営業の“橋渡し”ができる営業になりたい」と話していました。
実際、営業経験はなかったものの、エンジニア時代に培った現場視点を活かして顧客と向き合える自信があるようでした。
この言葉が、企業の「現地で信頼される人材がほしい」というニーズにうまく重なり、採用につながったと聞いています。
単なるやる気や情熱だけでなく、「どこで、どう貢献できるか」を自分の言葉で具体的に語れたことが、評価された最大のポイントだったのではないかと感じました。
語学より重視された「理解力」と「伝達力」
語学に強い自信があるわけではなかったという佐藤さん。
それでも、相手の話を丁寧にくみ取り、自分の言葉で真摯に返す姿勢が印象的でした。
海外営業では、「完璧な英語」よりも“何をどう伝えるか”が重視される場面も多く、企業側もその点を評価していたようです。
実際、現地で成果を出している人たちの多くは、流暢さよりも“伝える力”と“誠実な対応”で信頼を築いていると感じます。
駐在員として期待された役割とは?
単に営業をこなすのではなく、現地チームと本社の橋渡しをしながら、戦略的に顧客対応できる存在として期待されていました。
その“両輪を担える人材”こそが駐在員に選ばれる人物像です。
- 現地の声を吸い上げて本社に報告・提案する力:
(例)現地スタッフや顧客との対話から、課題やニーズを的確に把握し、本社へわかりやすく伝える調整役を果たす。 - 本社の方針を現地目線で“翻訳”して伝える力:
(例)日本側の戦略や施策をそのまま伝えるのではなく、文化や現場の実情を踏まえて、実行可能な形で現地に伝える。 - トラブル時の“バイリンガル的”判断と対応力:
(例)問題発生時に、本社と現地双方の立場を理解しつつ、スピーディに調整・収束へと導く調整力と信頼構築力。
海外で営業職に挑戦する上で直面する壁

どんなに入念な準備をしていても、実際に海外で働き始めれば、誰しも“予想外の壁”にぶつかるものです。
佐藤さんにとってそれは、「文化の違い」と「言葉の壁」からくる意思疎通の難しさでした。
ここでは、彼が直面したリアルな課題と、それをどう乗り越えたのかを紹介します。
英語力ではなく“伝える工夫”が要だった
バンコク赴任当初、顧客との商談で苦戦したのは英語そのものというよりも、“誤解されずに意図を伝えること”でした。
- ビジュアル資料を活用:
グラフや図解を用いて言葉の説明に頼りすぎない構成に変更 - 話すスピードを調整:
相手の反応を見ながら、早口を控え丁寧に伝える意識 - 通訳を挟む選択肢も準備:
重要な打ち合わせでは事前に通訳さんの手配を行い、正確な意図共有を優先

「伝え方は技術である」と捉え、“語学力不足=不利”と決めつけない工夫力が壁を乗り越えるカギになったのです。
現地スタッフとの関係構築

言語以上に難しかったのは「文化の違いによる価値観のズレ」。
例えば、日本では当たり前のような“事前準備”の意識が薄い場面もありました。
しかし、時間をかけて互いの考えを尊重し合う関係が築ければ、結果としてチーム全体が強くなっていきます。
- 事前準備と柔軟性の優先順位の違い:
– 日本側:時間厳守・納期遵守を「信頼の証」として極めて重視。5分前行動などが美徳とされる。
– タイ側:納期よりも品質や人間関係を優先する傾向。遅延があっても謝罪より事情説明が優先される文化。
*結果として、日本人は「詰めが甘い」と感じ、タイ人は「融通が利かない」と感じやすい。 - 上下関係と報連相(ホウレンソウ)意識の違い:
– 日本側:上司への報告・相談を重視。指示待ち傾向が強いが、責任共有を徹底。
– タイ側:フラットな人間関係が好まれ、過度な上下関係を避ける傾向。自主判断を尊重し、報連相が形式化されにくい。
*結果として、日本人は「勝手に判断された」と感じ、タイ人は「いちいち聞くな」と感じることがある。 - 時間感覚と納期遵守の姿勢の違い:
– 日本側:時間厳守・納期遵守を「信頼の証」として極めて重視。5分前行動などが美徳とされる。
– タイ側:納期よりも品質や人間関係を優先する傾向。遅延があっても謝罪より事情説明が優先される文化。
*結果として、日本人は「ルーズ」と感じ、タイ人は「せっかちで余裕がない」と感じる場面がある。
駐在員として働くリアルと、その成長実感
海外駐在というキャリアは、単なる職務経験にとどまらず、価値観や人生観に深く影響を与える転機となり得ます。
佐藤さんもバンコクに赴任して数ヶ月が経った頃、日々の業務や人との関わりを通じて、自分自身の成長をはっきりと感じるようになったそうです。
マネジメント力が自然と身につく
駐在員の役割は、単なる現地任務の遂行ではありません。
本社と現地スタッフの“橋渡し”を担う中で、自然とマネジメントスキルが磨かれていくと佐藤さんは話します。
- 調整力:
両者の考えや優先順位の違いを踏まえて合意点を見出す力 - 伝達力:
本社の意図や現地の実情をわかりやすく“翻訳”し、正しく伝える力 - ファシリテーション力:
会議や商談を円滑に進め、対話を活性化させる推進力
これらは全て、“研修などで学んだわけではなく”現場で必要に迫られた結果、身についたスキルです。
まさに“成長せざるを得ない環境”に身を置くことで、人は変わっていくのかもしれません。
キャリアの選択肢が広がった
海外での成果体験は、自身の市場価値を再認識するきっかけにもなります。
佐藤さんは、異文化の中でも成果を出せたことにより、自分のスキルが「日本の文脈だけではない」と実感できたと語っています。
- 対人力:
言語や文化の壁を越えて仕事を進めてきた - オーナーシップ:
不確実性の高い環境でも、自律的に行動すしてきた - 交渉力と適応力:
不確実性の高い環境でも、自律的に行動できた
結果的にこれらのスキルは、現地での再就職、または帰国後のキャリアアップにおいても、即戦力として高く評価される要素です。
まさに経験は財産なのです。
転職準備で意識すべき3つのこと

駐在員として採用されるには、行き当たりばったりでは通用しません。
これら3つのポイント、①自己分析、②書類の準備、③面接対策・・・をしっかり意識しておくことで、選考で一歩リードできます。
自己分析:キャリアの目的と強みを言語化する

「なぜ海外で働きたいのか」「どんな職種が自分に合っているか」を整理することで、説得力のある志望動機が生まれます。
- 過去の仕事経験で「物足りなさ」や「刺激不足」を感じた場面を振り返る
- 海外で働いている人のYouTubeやXツイート、ブログを参考に、自分が惹かれる要素をメモする
- 「なぜ今の日本ではダメなのか?」を紙に書き出して自己対話する
- 人生の理想像(ライフスタイル・働き方・人間関係)を言語化してみる
- これまでの業務の中で「楽しかったこと」「長く集中できた仕事」をリストアップする
- ストレングスファインダーなどの診断サイトを利用し自己傾向を客観視してみる。(https://wwpersonalitytest.com/)←世界規模の性格テストです。990円で性格診断を受けることができます。
- 職種別インタビュー記事や転職サイトの職種説明を比較して、自分にしっくりくるものを選ぶ
- 5年後・10年後の理想の働き方を想像して、それに近づける職種をピックアップする
情報収集:ポジションのリアルを把握する
国別の求人傾向、語学要件、福利厚生、生活コストなどを事前に調べておきましょう。
企業選びの基準にもなります。
また、これらの情報は求人サイトに細かく掲載されている場合があります。
STARメソッドを活用した書類と面接準備の進め方
書類選考や面接での自己PRでは、「結果」だけを伝えるのではなく、そこに至るプロセス=課題→行動→成果をセットで伝えることで説得力が増します。
そこで活用したいのが、海外企業でも評価されるSTARメソッド(Situation, Task, Action, Result)です。
面接ではこのフレームに沿って話すことで、構造が明確になり、聞き手の理解と納得を得やすくなります。
質問例:「困難な課題に直面したとき、どのように対応しましたか?」
- S(状況):
前職で大手クライアントに新しい提案をする際、現地の技術チームとの仕様認識にズレがあり、クレームにつながるリスクが発生しました。 - T(課題):
私の役割は、技術チームと営業チームの間に立ち、顧客の要望と社内の対応方針をすり合わせ、トラブル回避の調整を行うことでした。 - A(行動):
まず、顧客と技術チームの両方と個別にヒアリングを実施し、要望の本質と社内の対応可能範囲を整理しました。その後、図を使って仕様の相違点を説明し、共通理解を得る場を設定しました。 - R(結果):
結果として、仕様の誤認によるリスクは未然に防げただけでなく、クライアントから「対応が早く、丁寧で助かった」と評価を得ることができました。その後も継続して追加発注をいただく関係につながりました。
プロの力を借りるという選択肢
「自分に合った求人が分からない」「どうアピールすればいいか不安」そんな方は、転職エージェントのサポートを受けることをおすすめします。
たとえば【リクルートエージェント】では、非公開求人の紹介や職務経歴書のブラッシュアップ、面接対策なども手厚くサポートしてくれます。
特に転職自体が初めてという方にとっては便利なサービスです。
「自力では限界がある」と感じたら、経験豊富なプロの力を頼ってみましょう。
まとめ:30代の挑戦は人生を変える大きな一歩。成功する人の7つの特徴

佐藤さんのように、30代で技術職から営業職、しかも海外駐在員へというキャリアチェンジは決して特別ではありません。
● これまでの経験は無駄にならない
● 未経験でも「伝える力」で営業はできる
● 駐在経験は視野と選択肢を広げてくれる
今の環境に違和感があるなら、それは新しい挑戦のサインかもしれません。
- コミュニケーション能力が高い人:
特徴: 人と話すことが好きで、初対面でも自然に会話を始められる。
理由: 営業では顧客との信頼関係が鍵です。明るくオープンな性格は、相手の警戒心を解きスムーズな関係構築を助けます。 - 問題解決志向が強い人:
特徴: 相手のニーズや課題を察知し、適切な解決策を提案できる。
理由: 営業では顧客の悩みに応える提案が成功の鍵となります。 - 粘り強さがある人:
特徴: 失敗しても諦めず、次のチャンスを探せる。
理由: 営業では断られることが多く、粘り強さが結果を引き寄せます。 - 聞き上手な人:
特徴: 相手の言葉をしっかり聞き、深く共感できる。
理由: 営業は顧客のニーズを正確に理解することが重要です。聞き上手な人は信頼関係の構築に役立ちます。 - 柔軟性が高い人:
特徴: 状況に応じて話し方やアプローチを変えられる。
理由: 営業の現場では多様な顧客やトラブルへの対応力が求められます。 - 向上心のある人:
特徴: 新しいスキルを積極的に学ぶ姿勢がある。
理由: 営業職では変化する市場や製品知識への対応が必要です。 - ポジティブ思考の人:
特徴: どんな状況でも前向きに捉えられる。
理由: 挫折を乗り越えるにはポジティブな心構えが欠かせません。顧客にも好印象を与えます。
あなたの経験を活かせる場所は、世界のどこかにきっとあります。
勇気を出して一歩踏み出してみてください。
次にキャリアを動かすのは、あなた自身です。
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海外での挑戦が、あなたを成長させる
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